top of page
「枠に収める前に、枠を忘れる:苦手意識を変える感覚統合の方法」
枠からはみ出すことを、最初の一歩にしてもいい。うまく書けないとき、私たちはもっと小さく、もっと静かに、もっと指先だけで頑張ろうとして疲れてしまう。けれど、からだは順番を知っている。大きく動けば、やがて小さく収まる。私はその道筋を、音楽と肩の円運動の中で何度も見てきた。 文字が枠の中に収まらない——それは「できない」ではなく、からだがまだ道順を知らないだけだと思っている。多くの子どもは、低学年や未就学の頃に「枠の中に、こう書くんだよ」と教わる。けれど、小さい世界に急に招かれると、からだはギャーッと緊張し、落ち着いた頃には不安が顔を出す。小ささを求めすぎるほど、動きは固まり、書くことは苦しくなる。 そんなとき、私は練習をいったんやめる。枠に合わせる前に、からだの基礎を呼び起こす。感覚統合の土台に戻り、肩・肘・手首・指先がそれぞれの役割を思い出す時間をつくる。まずは分担——肩は大きく運ぶ、肘は方向を決める、手首は滑らかさをつくる、指先は止める・跳ねる・払いを仕上げる。それぞれが働き出すと、からだは「どの動きを、どこで使えばいいか」を取り戻していく。..
2月25日
体力テスト「握力」なぜ、あの子は急に記録が伸びたのか?
才能や能力はあるはずなのに、なぜか結果に結びつかない。そんなもどかしさを感じたことはないでしょうか。それはまるで、すぐそこに見えているはずの答えに、透明な壁があって辿り着けないような感覚です。実は、私たちの多くは、自分の力を最大限に引き出すための「正しい体の使い方」を知りません。それは学校の体力テストのような、ごく身近な場面にも潜んでいます。今回は、多くの子供たちが記録を伸ばせずに悩む「握力」測定を例に、眠っている能力を解き放つ、シンプルで強力な3つのコツをお話しします。 新学期が始まると、体力テストの季節がやってきます。この時期になると、多くの先生方から「特性のある子が、どうしても体力テストの点数が伸び悩んでしまう」という相談を受けます。特に「握力」は、その典型例です。能力がないわけではないのに、力の入れ方や測定の意図がうまく理解できず、本来持っているはずの力を発揮しきれないまま、低い数値が出てしまう子が少なくありません。 それは非常にもったいないことです。握力測定は、ただ高い点数を取れば良いというものではありません。自分の体の力を、どうすれば
2月24日
子どもの「遅さ」は怠けじゃない。体力テストが教えてくれた基礎概念の話
「うちの子、体力テストが毎回ひどくて…」——春から夏にかけて、何度も聞く相談だ。親は心配し、子どもは肩をすくめる。けれど、そこに隠れているのは怠けでも才能不足でもない。多くの場合、ただ「基礎の概念」が抜け落ちている。速く走る前に、何をどのくらい、どんなふうに走るのか——その地図をまだ持っていないだけだ。 4月、5月、6月、そして7月。体力テストの季節が巡るたびに、保護者の方から似た悩みが届く。「毎回、体力テストの結果悪いんです」「どうしたらいいですか」。そして子ども本人は、どこかピンと来ていない顔をしている。 ここで立ち止まって考えたい。体力テストの記録が伸びない理由は、本当に「頑張っていないから」だろうか。たとえば50m走。記録が20秒台で「遅い」と言われる。でも、実際の身体能力からすれば10秒で走れる子は珍しくない。では、なぜ10秒で走らないのか。 答えはシンプルで、深い。「速く走る」という概念がまだないのだ。もっと正確にいうと、速さの土台になる「距離感覚」と「時間感覚」と「進むことそのものの楽しさ」という基礎が、身体と心にインストールされて
2月23日
bottom of page