top of page
検索

ある高校生のための「奇跡」、そして包括的支援のはじまり

2月28日
読了時間: 2分

ある一本の電話が、予期せぬ奇跡の始まりを告げることがあります。それは、凝り固まった制度の壁に小さな光を灯し、これまで不可能だと思われていた道筋を照らし出す瞬間です。私にとってその一本は、東京に住むあるお母様からの、切実な問いかけでした。その問いが、自治体や学校を巻き込み、一人の少女の未来を大きく変えるとは、その時はまだ誰も想像していませんでした。

私は、「向き不向きではなく、前向きに」という理念のもと、特性がある子も通えるダンス・演劇スクールを運営しています。そこに通ってくれている生徒の一人に、この春から高校生になる女の子がいます。東京に住むその子の母親から、一本の相談の電話が入りました。「ラフダイさんのところで行っている訪問支援は、うちの娘も受けられないのでしょうか?」と。

正直に言えば、高校生への訪問支援は前例がありませんでした。私は「自治体に確認してみますね」と答え、すぐに行動に移しました。案の定、自治体の担当者も「前例がないので、制度上どうなるか確認して折り返します」という返答で、一度は電話が切れました。どうなるかわからないまま、私はただ吉報を待っていました。

しばらくして、電話が鳴りました。返ってきたのは、「制度上、大丈夫です」という、信じられないような言葉でした。その瞬間、新しい扉が開かれたのを感じました。この一言が、どれほどの希望をもたらすことか。4月から高校1年生になる彼女のために、これから東京の高校と連携し、訪問支援員を確保し、彼女が安心して学べる環境を整えていくことになります。

支援の幅が広がること、そして何より、高校側がこの新しい方針を受け入れてくださることが、本当に嬉しいのです。今までなかったものが生まれ、改善されていく。そのプロセスに立ち会えることに、今、私は奮い立っています。

もちろん、この先の3ヶ月間には、出席扱いの問題をはじめ、様々な困難や課題が山積みでしょう。しかし、私は保護者様とお子様にしっかりと寄り添い、自治体の方々、学校関係者と密に連携し、情報共有を重ねながら、包括的な支援の実現に向けて全力を尽くす覚悟です。

誰かにとっては些細な変化かもしれません。しかし、私たちにとっては、これは「奇跡の神回」と呼びたいほどの大きな一歩です。これからも、こうした奇跡の報告ができるよう、一つ一つの課題に真摯に向き合っていきます。

 
 
 

最新記事

すべて表示
「わからない」をほどく療育

子どもが何度教えても同じところでつまずくとき、私たちはつい「まだ覚えられていない」と考えてしまいます。でも、もしかするとその子に必要なのは、もっと説明を増やすことではなく、言葉の意味を“体でわかる”経験なのかもしれません。英語の5W1Hで「What」しか答えられなかった一人の子が、ある体験をきっかけに一気に理解へ向かったことがありました。 子どもたちの学びを見ていると、「わからない」の正体は一つで

 
 
 
療育の導入で本当に大切にしていること

初めての場所で、知らない大人に囲まれて、「さあ、ひとりでやってみよう」と言われたら、大人でも少し身構えるものです。まして三歳の子どもにとって、お母さんから離れることは、小さな冒険ではなく、とても大きな出来事です。だから私たちは、無理に離すことから始めません。まずは「ここは安心していい場所なんだ」と、子どもの心が感じられるところから始めます。 母子分離が難しい。 療育の現場では、とてもよくあるご相談

 
 
 
ラフダイが大切にする「F」と「T」

子どもが教室に入ってくる前から、療育はもう始まっているのだと思います。ドアを開ける前の空気、向かう道中の気持ち、「今日は楽しそう」と思える予感。行動だけを見ると見落としてしまうものが、その手前にあります。ラフダイのエンタメ療育では、そこをとても大切にしています。 ABC分析の前にある「F」と「T」 療育の現場では、ABA、つまり応用行動分析という言葉をよく耳にします。 その中でもよく使われるのが、

 
 
 

コメント


bottom of page